別居すると決めたとき、何をしてよく、何をするとまずいのでしょう。
別居のポイントについて解説します。
目次
1. 離婚届を置いて出てもよい?
離婚届を置いて出てきました、というお話はよくおうかがいするケースです。
この場合、注意したいのは、別居する側が署名済みの離婚届を置いて自宅を出るケースです。
離婚をしたい側が離婚届を置いてくる分には問題ない…とも考えてしまいがちですが、署名済みの離婚届を置いてきた場合、それを受け取った配偶者は自身が署名さえすれば離婚届を提出できてしまいます。したがって、離婚届が出されて離婚が成立すると、
- 別居する側が離婚する時期をコントロールできない
- 知らないうちに離婚届を出されて離婚が成立することになる
- 離婚成立後は婚姻費用が請求できない
- 婚姻後の姓を名乗り続けたい場合、離婚後に手続が必要になって面倒
というデメリットがあることは押さえておきましょう。
よくあるご質問として、証人2名は双方1名ずつ準備しなければいけないのでは?というものがありますが、片方の配偶者が2名とも用意することでも法的には問題ありませんので、証人欄を空欄のまま離婚届を置いて出たとしても、他方の配偶者が2名共証人を用意し、離婚届を提出してしまった場合、やはり離婚は有効に成立してしまうことに注意が必要です。
メリットとしては、離婚が成立しますので、離婚の可否そのものが争点になることが無くなるという点があります。
いずれにせよ、弁護士を依頼して離婚を勧めたいとお考えの場合、様々な要素を考えあわせてアドバイスをしていますので、離婚届を置いて出る前に弁護士と相談してどうするかを決めることをお勧めします。
2. 配偶者に内緒で別居してもいい?
配偶者に何も言わず、秘密に別居の準備を進めて別居に踏み切る方は多くいらっしゃいます。
配偶者の承諾がなくても、別居をすることはできます。
内緒で別居する場合、
- 荷物はどうしたらいいか
- 家族を捨てたと非難されて法的に有責な配偶者になってしまわないか
というご相談をよくいただきます。
この点について、次に述べていきたいと思います。
3. 荷物は持ち出してもよい?
夫婦が同居中に購入した物品は原則として共有財産となります。
ただ、身の回り品や服など明らかにご自身のものについては、持ち出しをすることでトラブルになるケースは少ないと思われます。
家具や家電については、基本的に共有財産ではありますが、財産的価値として評価するとなると、減価償却によってほぼ価値が出ないことが多く、時価査定するにしても処分費用の方が高くつくということも多くあります。
したがって、家具や家電については必要かどうかで分け合い、双方が不要とする場合は売却したり、不要物として処分し、処分費用を折半するなどしています。
家具や家電については購入時期や状態により、ケースバイケースになりますので事案によって対応が異なります。
別居時には身の回り品だけを持ち出し、別居後に協議のうえ、弁護士が立会いをして別居後に配偶者と顔を合わせることなく引き取りができるようにするといった対応も実施していますので、詳しくはご相談ください。
これまでの実例を踏まえてアドバイスをさせていただいております。
4. 家族を捨てたと非難されないか心配…
別居する側が主に生計を支えていた配偶者であるという場合、このような心配事をご相談されることがあります。
家族を捨てたと言われ、離婚が困難にならないかという懸念です。
これについても、ご心配はいりませんとお答えしています。
別居後、残された配偶者に対し、速やかに生活費の支払い等について申し出を行うなどして生活についての手当てをする意思があることを表明する等により、法的なリスクを負わないように対応することが可能です。
5. まとめ
上にあげた以外の別居にまつわるお悩み事もたくさんいただいています。
当事務所では、別居をすることに決めたけど、何から始めたらいいか分からないという方に向けて別居前から離婚に至るまでトータルでサポートをしています。
別居したいと決めた方、まずはご相談ください。