目次
1. モラハラってどういうもの?
- 誰のおかげで食ってると思ってるんだ
- お前なんかどうせ稼げないんだから
- イラつかせるなよ
- お前なんかいなくてもいいんだよ
- 離婚してやる、出ていけ
これはモラルハラスメント、モラハラの典型的な発言です。
モラハラ夫・モラハラ妻が自身を上位に置き、被害者になる夫・妻を下に置いて支配関係を構築するため、下に置かれた被害者は何を言ってもモラハラ夫・モラハラ妻から徹底的に人格を否定され、激しく攻撃されることになります。
こういった家庭内において、夫婦は対等な立場ではないため、被害者は、モラハラ夫・モラハラ妻に対して意見や考えを述べても即座に否定され、倍返しで攻撃を受けることになります。
そのため、被害者は、モラハラ夫・モラハラ妻からの攻撃をおそれ、無理に同調したり、過剰に迎合したりして、本来、加害者であるはずのモラハラ夫またはモラハラ妻に気に入られるように行動し・発言をするようになることがあります。
そのほか、家庭内でできるだけ争いを避け、モラハラ夫・モラハラ妻からの攻撃を避けようと、自然とモラハラ夫やモラハラ妻を回避して、自己防衛をしようする心理が働くようになりますので、自然と夫婦の会話はなくなり、夫婦関係の冷え込みは避けられなくなっていきます。
そうこうしているうちに、被害者は、次第に自尊心を破壊され、家庭内での地位がどんどん低下していき、モラハラ夫・モラハラ妻の犠牲になり続けるというマイナスのスパイラルに陥るのが特徴です。
2. モラハラの原因は?
これといって決定的な原因があげられるわけではありません。
アルコール依存、ギャンブル依存、性依存などの依存症が根底にある場合もあります。その場合、依存症になっている夫・妻が、モラハラ夫・モラハラ妻となって配偶者を攻撃する場合が多くあります。
発達障害やそれを一次障害とする人格障害、適応障害などの二次障害が原因になっている場合もあります。
このケースでは、結婚するまでは普通だったのに、というお話をよく、依頼者の方から聞くことがあります。交際していたときには気が付かないか、ちょっとした違和感にすぎなかったものが、いざ結婚した、子どもが生まれたというライフステージの変化に伴って、モラハラが始まることもあるので、気が付かなかったご自分を責める必要はありません。
全部がそうではありませんが、モラハラ夫・モラハラ妻の意識のなかで、他人から身内へと自他の意識が変化することで攻撃の刃が向けられることがあるようです。
家父長的な価値観の違いが理由となる場合もあります。
これについては、単なる意見の相違といえるレベルのものではなく、家庭環境、家族の関係性等の成育歴やその人がこれまでに形成してきた物事の判断基準、価値観、経済観念などが大きく影響するといえます。
いずれにせよ、モラハラ夫・モラハラ妻には全く自覚がないか、モラハラをしているという自覚が薄いことが多く、原因を指摘したからといって簡単に改善する問題ではありません。
モラハラ夫・モラハラ妻の考え方や態度を改善しようとすることは現実には難しく、寄り添おうとする夫・妻は、その人生をかけて寄り添う気力と忍耐力が必要になります。
そのなかで、別居、離婚といった選択肢を選ぶ方もいらっしゃいます。
3. モラハラ夫、モラハラ妻との別居の進め方
別居先を秘密にする
別居をするため、まずは引っ越し先を見つけようと考える人は多いと思います。
離婚前の夫婦の場合、たとえ別居中であっても、別居した配偶者がどこにいるか見られてしまうので、住民票について閲覧制限をかける手続が必要になる場合があります。
モラハラ夫・妻は、被害者である夫・妻に対し、「出てけ」「離婚してやる」などと罵倒する一方で、いざ、被害者である夫・妻が別居しようとしたり、離婚したりしようとすると、執着し、しつこく追いかけて居場所を突き止めようとすることがあります。
そこで、別居するときには住所を秘密にして引っ越すことも検討してください。
別居をしてから、お互いの関係性が安定したころに、ご自身が良いと思えば、相手に住所を教えるのも自由です。何度も引っ越しをするのは精神的にも、経済的にも苦しくなるため、迷う場合は、別居先は秘密にしておきましょう。
転園や転校の手続きをする
お子さんがいる場合は転園や転校の手続きなど、別居前にしておきたい手続がたくさんあります。
別居後も児童手当の受給者をご自身に変更する手続きなど、しておきたい手続が出てきます。
その手続きにあたって、市区町村役所から、まだ離婚前なので、離婚協議中であることの証明がないと、各種手続きができないと言われることがあります。
当事務所では、離婚事件をご依頼いただいた依頼者の方に離婚の意思があり、弁護士に依頼して離婚協議を行っていることの証明書を出しています。
この証明書により、離婚成立前の別居期間中でも、自治体から「ひとり親」として扱ってもらうことができる結果、以下のような行政サービスを受けられる事例がありますので弁護士にご相談ください。
- 児童手当の受給者変更ができる
- 「ひとり親家庭」として転園・転校手続きができる
- 「ひとり親家庭」として保育園料を算定し直してもらえた事例
- 転園手続の際、「ひとり親家庭」として点数の加算を受け、待機にならず希望の園に転園できた事例
- ひとり親としての援助制度を利用して学校の学費を無償化できた事例
別居後の話し合いは?
弁護士がモラハラ夫・妻に今後、弁護士が交渉に入ることを連絡するとともに、依頼者の方への連絡を禁止して、話し合いの窓口を弁護士に一本化します。
また、生活費やお子さんのことなど、今後のことについて必要な提案や要望を行います。
弁護士からの連絡にあたって、依頼者の方の住所、電話番号などの連絡先は一切知らせることはなく、当事務所が連絡先となる旨の通知を行いますので、ご自身が直接、モラハラをする夫または妻に対応する必要はなくなります。
弁護士からは、都度、依頼者の方に報告をし、対応を進めてまいります。
4. まとめ
当事務所では、別居を考えている夫または妻の支援を行っています。
別居前の準備段階からご依頼をいただいて、依頼者と弁護士が共同して別居の準備にあたることができます。
初回相談は1時間5500円(税込、1時間のうち30分無料、30分有料)となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。